2015年12月23日、福島市から奥州街道と羽州街道を走り、白石から奥州街道を通って戻ってきた。
羽州街道は、福島市北の桑折町から宮城県七ヶ宿町を通り山形県上山市へ、果ては青森まで続く道。冬季は七ケ宿から上山へ抜ける金山峠が閉鎖されるので、今回は七ヶ宿の手前で白石に下り、そこから奥州街道を辿って桑折町まで戻ることにした。経路はできるだけ旧街道の跡を辿った。
福島市から桑折町までは、国道4号の傍らを走る旧奥州街道を走った。旧道とはいえ、街道風情はあまりない。福島市瀬上町あたりまで行くと街道らしい家並みになるが、それでも写真を撮る気を起こさせるほどでもない。
桑折町への入り口はカギ型に(直角に)曲がっていて、メインストリートの南端に旧郡役所がどっかと鎮座している。メインストリートの北には羽州街道との追分(分岐点)があり、地元の人たちが小さな公園のようにして、町のシンボルにしている。通りには、他の町と同じくシャッター店舗が多いものの、倉を改修した「桑折御蔵」や町家を改修したカフェ(閉鎖中)など、古い建物が利用されていて、宿場風情が感じられる。
桑折宿の追分を過ぎ、羽州街道の跡をたどった。
桑折宿を出て最初の宿場が小坂宿。直角に曲がって宿場に入り、街道の端っこに寺があり、その手前を曲がって街道が続く、宿場の基本形だ。
さらに坂を登ると小坂峠の入り口に着いた。ここから峠まで山道を登る場合、お産するぐらいきつい産坂(さんざか)と、やや登りやすい慶応新道など、3つのルートがあるらしい。この日は自転車を担いで登る気力はなかったので、山道を避けて戦後にできたという九十九折の舗装道を登った。
峠に登ったところから産坂を見てわかったが、確かにここはきつそうだ。水平距離500mで標高差180mを直登してるらしい。街道というより登山道に近い。
峠を過ぎると、道は緩やかに下り、上戸沢、下戸沢と宿場を過ぎた。上戸沢、下戸沢、渡瀬、関、滑津、峠田、湯原と7つの宿場があるのでこのあたりを七ヶ宿というらしい。日が短いので2つの宿を過ぎたところで白石市街に下った。
白石は城下町だった。知らなかった。駅近くの交差点は、会津若松の「大町四つ角」のように喰違十字路になっていた。ここから旧奥州街道を南下した。ところどころ国道4号を走るしかない区間があり、トラックに寄せられてひやっとするときがあった。
斉川宿、越河宿、貝田宿、藤田宿と過ぎて、桑折の追分に戻った。これで追分までの往路と合わせて福島から白石までの奥州街道を完走した。
桑折追分から自宅のある福島市までは適当に走った。福島市に入るといい田舎道がない。、往路に通った旧奥州街道はまだましな部類だった。走行距離は福島から桑折までの往復を含めて80kmほど。桑折追分からのループだけだと55kmほど。下の地図は追分までの往路の奥州街道と追分ループを示している。