2015年9月19日、白布峠を逆から登るとしんどいという話を聞いたので、奥羽線の峠駅から走って白布峠を登ることにした。本当はMTBで来るべきところだが、里に降りてからの長いロードを考えて、ロードバイクで福島から輪行した。
奥羽線は鉄ちゃんが多い。奥羽線に乗るときはいつも庭坂駅から始発に乗って一番前の横席に座るが、たいてい周囲に鉄ちゃんがいる。彼らはどこの風景がいいとか、何時何分に山形新幹線とすれ違うとか知っているらしく、スケジュールに合わせて迷いなく写真を撮っていた。
峠駅には鉄ちゃんの数人とともに降りた。駅の出口付近にもまた撮り鉄が数人来ていた。ホームには連休とあって名物の「峠の力餅」の立ち売りが来ていた。後で知ったが1901年から続いている商売だそうな。
駅は壁に木材を使ったスノーシェッドにホームごと囲われている。異様な雰囲気だ。姥湯温泉や滑川温泉までそれぞれ8kmで「小さな旅」にいい、との観光看板がある。よく駅前広場にあるやつだが、これもまたエキナカにある。
駅前には力餅の茶屋しかない。駅を出るといきなり20度くらいの坂のため、フロントアウターで走りだしたらギアチェンジもできなくて、くるりと回ってインナーローで出直した。ガタボコ道だが、一応舗装道路で、ロードバイクの25ミリ幅のタイヤでも走れる。
しばらく走ると分水嶺の立て看板。ここから先はさらに道が悪く、舗装道路か砂利道か区別がつかない。ブレーキを握る力が続かないくらいの激坂をしばらく下った。どこもかしこも緑と水がきれいで、MTBで来て温泉めぐりをすれば気持ちいいに違いない。
峠から9km走ると大沢駅の集落についた。ここまでくると里の雰囲気がある。
さらに7km下ると関根に着いた。ここを通るのは4回めで、いつもバイパスを通らずに駅前の旧道を抜ける。本当に静かな町で人の話し声や酒屋の瓶の当たる音なんかが普通に聞こえたりする。
関根から先は慣れた道をいつもとは逆方向に辿った。白布峠も白布温泉までは特に苦もなく、のんびりと走った。
白布温泉をすぎると急に天気が悪くなり、雨が降りだした。気温が13度まで下がったが、ウィンドブレーカは家に忘れてきた。全行程の3分の1しか来てないところで濡れネズミになっていいことはない。しょうがないから、輪行袋を裏返しにして頭から被り、ポンチョにして走った。3年前に白布峠で突然の土砂降りに遭ったときに発明した使い方だ。こうすると全身とバッグとハンドルにつけたGarminとを濡らさないで走ることができる。風通しが悪くて蒸すときは前部を上げて風を入れればいい。スピードを上げられないが、坂を登るには問題なかった。
白布峠を逆から走るとそれなりに発見もあった。頂上の3km手前には赤滝と黒滝という2つの滝があるのを初めて発見した。裏磐梯側に下ると右手に米沢街道の谷筋の向こうに会津盆地が見えた。白布から盆地が見えるとは知らなかった。
裏磐梯に降りると、雲の下に出た。ここからは一月前も走った慣れた道で、いつものようにアップダウンを楽しみながら自宅まで戻った。
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