google mapsの航空写真で見ると、柳津町の一番奥の高森集落へ会津美里町側から入る道が見えるが、林道であるせいか、地図には載っていない。したがって、いつものルートラボでルート作成ができないのだが(左図はGPSの走行記録)、行き当たりばったりで行ってみることにした。
会津若松を出発して、会津美里町の西本という集落に行き、おじちゃんとおばちゃんに道を尋ねた。二人の話を要約すると、大岩街道を行くといい、西本郵便局のところを山側へ登れ、左左と行って峠を越えてから二股があったら右へ行け、熊は昼間は出ない、歌でも歌って行けばいい、朝夕にはその辺にも熊が出るから朝仕事は気をつけている、だった。
言われた道を登ると、12%くらいの激坂で、5分も登らないうちに長袖のジャージを脱ぐはめになった。アンダーシャツだけになって、熊よけを兼ねてひーひー言いながら登ると、突然二車線の林道に出た。そこから先は平坦なスーパー林道らしき道(これがおばちゃんが言ってた大岩街道か)が続き、峠を越えて、久しぶりに出てきた田んぼを見送りしばらく進むと、おじちゃんに言われたとおり、右手に下る細い道が見えた。よほど注意していないと見落としそうな分岐点だった。ここを右に曲がると突然集落に出くわした。これが目指していた高森集落だった。
おじちゃんおばちゃんがいた会津美里町西本から柳津町高森まで13km。この間、路上で会った生き物はカナチョロ一匹のみ。人も車も皆無。道は全舗装で立派、景色もいいのだが、人の気配が全くなかった。5cmもある銀メッキの古い鐘(鈴ではないんだな)を鳴らしながら走ったのでクマさんも出なかった。
高森に来ればこっちのもん。あとは下っていけば、四ツ谷、中屋敷、牧沢、五畳敷、西山温泉へと続くことがわかっている。ここいら辺は、狭い谷の斜面に家がぽつりぽつりとある山間の集落で、住んでいる人にとってはどうかわからないが、私にとっては美しい山里。やかましく音楽を流す移動販売車なんかにも心が和む。自転車で旅するにはいいところだ。
あちこち写真を撮りながら下ると目的地の西山温泉に出た。この日は「中の湯」で、檜風呂と露天風呂を貸しきってしばしくつろいだ。中の湯は、昔、つげ義春のまんがに出た温泉で、当時の古い湯治屋はなくなったが、当時の娘さんはご健在。
温泉で汗を流した後、西山地熱発電所と虚空蔵尊円蔵寺を訪れた。虚空蔵尊の紅葉はまだまだだった。
西山温泉には5~6軒の温泉宿があり、大抵は日帰り入浴ができる。せいざん荘という町営入浴施設もある。
にゃあーお。
しばらくお出かけされていないようでしたので、お忙しいのだろうな・・と。さぞかしストレスが溜まっているんではと心配していましたら、連日ハードな行程をこなしているのに感服いたしました。 お天気が良くて空が青くて写真が綺麗です。ハード過ぎてご一緒したいとは思わないけれど、貸切の温泉、道中の風景、全部一人占めの贅沢な旅、写真を見させて頂いて癒されます。熊鈴(鐘?)を鳴らしながら突っ走っている緊張感まで伝わってきます。いいですね。