湯野上温泉から大内宿サイクリング

湯野上温泉駅

湯野上温泉駅

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大内宿と塔のへつりは観光客数では南会津随一。ハイシーズンには渋滞が発生するほど混雑しているが、自転車で周辺を回れば、のどかで平和な南会津の風景を楽しむことができる。初級者でも楽しめる3~4時間コースを紹介する。

車でこのあたりを回る人は大抵、大内宿とそのアクセス道、国道121号線、それと塔のへつりしか知らない。私もそうだった。自転車で走るときは、いつもは列車の窓から見るだけの橋、塔のへつり周辺のさわやかな林の空気、大内宿へ至る下野街道や途中の集落の風情など、点と点の間にあるさまざまなものをゆっくり味わうことができる。いい風景に出会ったら、後ろからくる車への迷惑を心配しないで、いつでもその場で停まって眺めることができる。

会津線

会津線

出発地は湯野上温泉駅。茅葺屋根の駅舎を背にして塔のへつりへ向かう。混雑する国道は避け、川を挟んで反対側の単車線の道を通るのがいい。大川と会津線の鉄路を右に見ながら、林を抜け、集落を抜けると「塔のへつり→」の看板がある分岐点にでる。看板をたどれば、塔のへつりまで迷うことはない。塔のへつりは、渓谷と奇岩で有名だが、蕎麦や饅頭など食べもの屋も多い。味噌汁にうどんを入れて200円、ってのもあるので急いでいるときはおすすめ。

湯野上温泉あたり

湯野上温泉あたり

塔のへつりに向かう道

塔のへつりに向かう道。新緑と紅葉の時期が美しい。

塔のへつり

塔のへつり



幾世橋

幾世橋からの眺め

塔のへつりを出たら、国道を再び避けて、121号に出る直前の「SUZUKI」の看板を左に折れて下るのがポイント。幾世橋という、渓谷の眺めがすばらしい橋があるので、しばし景色を楽しむといい。橋を渡って川の東に回り南(下郷町役場の方)へ向かう。途中、中ノ沢観音堂という国の重要文化財がある。小さなお堂だが、歴史と風情あり。

下郷町役場を右に見て時計回りに進み、国道121号に出たら「昭和村←」の標識に従って昭和村方面へ。ここから大内宿までは、すれ違う車も少ない。山と山に挟まれた田んぼの中を進み、水抜という集落を過ぎると、「大内宿」の標識があり、右手に登る道が現れる。

ここから大内宿までにはふたつの峠を越えなければならない。最初の中山峠までの2.5kmは斜度6%の坂。途中、「長寿の水」という清水があるので、休憩を取りながら進むといい。

ひとつめの峠、中山峠を過ぎて、気持ちいい林間の下りを抜けると、中山地区に出る。中山地区は山間に開けた小さなすり鉢状の土地で、氷河で削られた谷のような風情がある。三彩館というそば屋や公園、それからコブだらけの幹をもつ大ケヤキがある。大ケヤキから、斜度4%の登り道を二つ目の峠まで2.5kmほど進む。このあたりは、昔の下野街道にあたり、まっすぐな舗装道路に沿って、旧街道が見え隠れする。標高760mの最高地点を越えて、少し下ると大内宿となる。

長寿の水を過ぎて中山峠あたり

みなんはら。

桜がきれいな「みなんはら」

中山花の郷公園

中山地区には公園と大ケヤキがある


大内宿

大内宿

大内宿では、宿場町の歴史がわかる陣屋やおいしいそばなどがおすすめ。
大内宿から、湯野上温泉までは一気の下り。交通量が多いし、過去にはスピードを出しすぎて谷に落ちた人もいるので注意。路面に砂があったらスピードダウンしないと危ない。

耕運機とご夫婦

耕運機とご夫婦

途中、耕耘機(こううんき)に乗ったご夫婦にあった。ドドドドドドってエンジン音で坂道を登ってこられた。懐かしいので写真を撮らせてもらった。山菜取りに行くんだと。子供のころ、よく親父の運転する耕耘機の荷台に乗って田んぼまで移動したことを思い出した。今ではこんな耕耘機を移動の足に使っている人は田舎でも少ない。

湯野上温泉に戻ったら、周辺に日帰り入浴ができる旅館があるので、汗を流せる。
【ルート近くで食べる】
google mapで 湯野上温泉あたりのサイクリングで食べるところ を表示
【ルート近くの温泉】
▽湯野上温泉には有料の日帰り湯が多数。以前、川端に露天風呂があったが、21年に保健所の指導で廃止された。
▽弥五島駅近くの郷の湯(300円)

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