会津田島から会津若松は標高差が300mあり、基本的に下りなので、楽に走れる。ちょっと問題なのは、国道121号(途中から118号)の車の通行が多いことと、大川ダムの西を走るいくつかのトンネルが危険なこと。これらを回避して平和に走るには傍流の田んぼ道や旧街道を行くといい。上の地図はそんな道を案内している。
田島を出たら東側の田んぼ道(といっても舗装されてる)を走る。地元の名門、田島高校の前を通り、平和な田園を抜ける。これで電柱がなければ文句のない道だ。会津線の鉄路を左や右に見ながら走ると丁字路にあたり、右へ急な坂を登ると養鱒公園駅という駅に出る。近くに国の外郭団体が運営する「養鱒公園」があるのでこの名になっている。右へ折れると養鱒公園や蕎麦畑が広がる猿楽台地になるが登りが長いので、このルートでは素通りしている。
養鱒公園駅を過ぎ、とんがり屋根のレンガ色の下郷町役場を過ぎ、中ノ沢観音堂という小さな古いお堂を過ぎると下弦の(下って上る)下り坂に至る。下弦の底には「←塔のへつり」の看板がある。これを見過ごして直進し激しい登り坂に入ると「塔のへつり」の裏を通ることになるので注意。看板どおり左折すれば、美しい渓谷が望める幾世橋に出る。
幾世橋でしばし渓谷を眺めた後は、川の近くの道を下流へ数百メートル走ると「塔のへつり」へ至る。ここは、大内宿に次ぐ下郷町の観光名所。食堂や土産屋がいくつかある。
「へつり」を見たら、線路を越える前に右折すること。道は細く、わかりにくいが、必ず湯野上温泉にたどり着くはず。
湯野上温泉から大川ダムトンネルまでは国道118号を通るしかない。二車線ぎりぎりの道で危ないので、注意して走るべし。大川ダムトンネルが見えたら、手前の信号を右折することを強く薦めたい。右に進めば大川ダムを跨ぐ橋を渡り、その後は大川につかず離れずの道をくねくねと走り、芦ノ牧温泉を経て、会津盆地の縁(へり)にある上三寄(かみみより)の町に着く。上三寄には、昔、上三寄駅があったが、第三セクター鉄道の運営になって「芦ノ牧温泉駅」になった。実は、芦ノ牧温泉から4キロ離れている。今はネコ駅長の「ばす」で有名。ばすは子どもに拾われて駅に住むようになり、ねこばすに似ていることから「ばす」の名がついた。駅前には横浜ラーメン博物館にも出店した「牛乳屋食堂」があり、ばすやラーメン目当ての人で駅周辺はにぎわっている。
上三寄までくれば、西若松駅までは完全な平坦路。大川沿いのサイクリングロードを走る方法もあるが、このルートでは田んぼ道や旧街道をたどっている。終始線路からあまり離れないように走れば、自然と西若松駅に着く。
このルートをみんなで走りたい人は、車両貸切のサイクルトレインツアーに参加しませんか。詳しくは会津鉄道「駅からサイクリング」へ。